地方自治観察日記

都政新報の気になる記事の要約とコメント

2014年12月16日付都政新報

学校で外部人材の登用促進 特別免許授与で要綱制定 都教育庁(1面)

大学等で所定の単位を取得することで付与される普通免許と異なり、特別免許は学校長の推薦する人物に書類審査を行い、免許を授与する仕組みである。この特別免許を受けて教壇に立つ人ってほとんど知らない。実際、都立学校で適用ケースはなかったらしい(都内私学で3件の申請と授与。おそらく1年あたり)。特別免許状の授与に関する具体的な審査基準を明らかにすることで、「専門性を有していたり、海外駐在歴が長く、英語などの外国語が堪能な企業での勤務経験を持つ社会人、博士号取得後に任期制の職務に就いていた博士号研究員(ポスドク)の登用機会の拡大が期待されている」。

もっとも、特別免許によっても臨時的任用、日勤講師(非常勤教員)、時間講師の3つの形態での雇用であることには変わりなく、ポスドクの安定的雇用先にはなりそうもない。

移動天文車アストロカー(2面・記者席)

「アストロカーは地域にある科学館のアウトリーチ活動だ。文学館や美術館でも行っており、葛西臨海水族園も現在、移動車の名称を募集している。」

文化施設アウトリーチがこんなに盛んだとは知らなかった。移動図書館もそろそろ役目を終えたのかなーと思ってさえいたので。移動天文車アストロカーには大型ディスプレーと望遠鏡が積まれ、学芸員の解説のもと夜空を眺めるらしい。移動水族館というのも面白そう。機会があれば参加してみたいな。

生活困窮者支援 施行に向け8区でモデル事業(2面)

生活困窮者自立支援法が平成27年度から施行されるに伴い、各自治体も事業を展開していかなくてはならない。生活保護受給には至っていないが生活に困窮している人を早期に支援し、社会的な自立に結びつけることが狙い。

足立区では生活困窮者支援課が平成27年度から新設されるらしい。すごい気合いの入りようである。就労支援はケースワークとはまた違ったノウハウが必要で、(担当職員の)人材確保に頭を悩ますことになりそう。

ぬいぐるみがお泊り 稲城市(3面・TAMA手箱)

稲城市立図書館でのぬいぐるみおとまりかいのプレスリリース。ぬいぐるみおとまりかい自体は全国的にも広まり珍しいわけでもなく、なぜここにわざわざ取り上げられたのかが謎。記事を読む限り、1日目にぬいぐるみと一緒に子供がお話し会に参加し、ぬいぐるみはそのまま図書館にお泊り、2日目にぬいぐるみを迎えに行くというやはりありふれた内容のイベント。

これはもしかしたら、稲城市立図書館の人の広報が巧いのかもしれない。

都庁セミナー 女子カフェを新設 採用活動後ろ倒し キャリア支援に変更(4面)

都総務局が開催した採用説明会。平成27年度の採用試験からPR活動が前年度3月に解禁されるのに伴い、採用イベントではなくキャリア支援イベントという位置づけに変更したとのこと。「局別事業説明では、生活文化局が局研修の一環で、入都2年目の職員16人がチラシなどを制作しPRした」とある。こういう研修の方法があるのかと参考になった。携わった職員コメントで「他の部の業務を調べて、勉強になった」とあるように、入庁して間もない職員にこういう場を与えるのは重要だと思う。